2026.09.17 17:50
反芻すること
こんにちは
先月からずっと雨が降ってすっきりしないお日々ですね…週明けには台風が近づくみたいですが、この後は台風一過で晴れることを期待しています
私は最近、お休みの日は家に籠ってうどんを打つなどしています笑だいぶ上達した気がします
明日15:00〜24:00、明後日13:00〜23:00で出勤しますお時間があればぜひ^^
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今回は田中慎弥「実験」です 3つの短編が収められています
この作者の作品は他に、芥川賞を受賞した「共喰い」しか読んでいませんが、決まって海か川といった水辺の地方都市が舞台でした水と時間の流れ、そこから匂い立つもの、土着的で閉鎖的な空間に漂う閉塞感、人びとの心に巣喰う孤独や疲弊…そういう闇を凝視して苦味を咀嚼させるような作風がかっこいいなと思います 今回の短編の中では「週末の葬儀」が良かったです
主人公の公蔵は妻と別れてから会社に馘首され、一人で暮らしていました彼の家は海辺の新興住宅地にあり、街は潮風に吹かれ続けるうちに砂と錆に侵食されてゆきます家族も職も失った公蔵の心も徐々に孤独に蝕まれてゆくのですが… 家庭とか仕事とか自分を説明してきたものを失って、己の存在にすら揺らぎを覚えるようになってゆく公蔵の語りが凄かったです孤独がひとを追い詰めるのではなく、どちらかと言うと、ひとの方が孤独に嵌ってゆくのだなと思いました他者との対話をやめて家の中で独り言つ公蔵の言葉は空虚で、その空虚に気づいてしまった彼が死を求めることは当然かもしれません
特に印象深かったのは、繰り返し描写される妻が残していった錆の移ったハンカチについてその描写が公蔵の孤独な暮らしを前景化させていて心に刺さりました公蔵は答えのない問いを反芻して、脳内を廻る言葉は精神を病ませるのです 読後、公蔵を闇から救う術があったのか考え続けてしまいます…読者を孤独に向き合わせる作者の筆力に圧倒されるのも良いものですね