桜の花びらが薄いピンクを帯び、
ほころび始めた頃
彼と彼女は、
公園の小道を並んで歩いていた。
微風に揺れる桜の枝が、
時折ふたりの肩にそっと触れる。
彼女は笑顔を浮かべ、
彼はその瞬間を一瞬止め、
心の中に焼き付ける。
彼の視線は、
彼女の優しい横顔に吸い寄せられる。
彼女の話す声は、
春の温もりに包まれたように、
彼の心の奥に響く。
話す内容は小さな日常でも、
言葉の間には
確かな温もりが流れていた。
花びらが落ちるように、
距離が縮まり、
互いの心が近づいていく。
桜の花びらが舞う中で、
彼は彼女の手をそっと取る。
少し驚いた彼女の瞳が、
瞬間に柔らかく輝く。
二人の心は、
桜の花の如く、
静かに開き始めた。
桜の舞う頃、
貴方様とのお時間を大切に過ごしたい
有村真理愛